【一般社団法人の概要】について わかりやすく解説

近年増加傾向にある一般社団法人の概要についてわかりやすく解説していきます。

 

一般社団法人とは

一般社団法人とは、公益法人制度の改革により2008年にできた非営利法人制度です。株式会社は営利法人ですが、一般社団法人は非営利法人です。

なお、非営利法人だからといって利益を出してはいけないわけではありません。非営利とは利益の分配をしないという意味です。

一般社団法人は、事業内容に制約は無く法務局で登記するだけで法人格を取得できるため、比較的簡単に設立することができる点で注目を集めています。

一般社団法人設立後、公益認定を受けて公益社団法人を目指すことも考えられますが、ここでは公益に認定を受けていない一般社団法人について解説しています。

 

一般社団法人の種類

一般社団法人は大きく2つに分類されます。1つは非営利型法人で、もう1つは非営利型法人以外の法人です。さらに非営利型法人は、非営利徹底型法人と共益活動法人に分かれます。

非営利型法人以外の法人に該当する場合は、株式会社と同様にすべての事業に対して法人税が課税されますが、非営利型法人に該当する場合は、NPO法人と同様にすべての事業のうち収益事業のみ課税されます。

非営利型法人に該当するためには、一定の要件が必要ですが、該当すれば法人税が課税されないため事業活動にあたり有利になると考えられます。(赤字の場合など状況次第で不利になる場合もあります。)

 

非営利徹底型法人の4つの要件

非営利徹底型法人とは以下の4つの要件を満たしている法人です。該当する場合は、特に手続きは必要なく非営利型法人となります。

(1)定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。

(2)定款に解散したときはその残余財産が国・地方公共団体・一定の公益法人等に帰属する旨の定めがあること。

(3)上記(1)及び(2)の定款の定めに反する行為(上記(1)、(2)及び下記(4)に掲げる要件の全てに該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを含みます。)を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。

(4)各理事について、その理事及びその理事の親族等である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、3分の1 以下であること。

 

共益活動法人の7つの要件

共益活動法人とは以下の7つの要件を満たしている法人です。該当する場合は、特に手続きは必要なく非営利型法人となります。

(1)会員の相互の支援、交流、連絡その他のその会員に共通する利益を図る活動を行うことをその主たる目的としていること。

(2)定款等に、会費等の定めがあること。

(3)主たる事業として収益事業を行っていないこと。

(4)定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を受ける権利を与える旨の定めがないこと。

(5)定款に解散したときはその残余財産が国・地方公共団体・一定の公益法人等に帰属する旨の定めがあること。

(6)上記(1)から(5)まで及び下記(7)に掲げる要件の全てに該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。

(7)各理事について、その理事及びその理事の親族等である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、3分の1 以下であること。

 

手続き

該当する場合は、特に手続きは必要なく非営利型法人となります。なお、非営利型法人が非営利型法人以外の法人に該当することになった場合は、法人の異動届出書を所轄税務署に提出しなければなりません。

一般社団法人のまとめ

ここでは、一般社団法人の概要・種類について解説しました。

非営利型に該当するか否かによって申告・納税等が異なり、今後の経営戦略にも影響を及ぼすものと考えられます。どの形態で経営していくのか慎重に検討してください。

(法人税法上) (法人税課税)
一般社団法人 非営利型法人 非営利徹底型法人 公益法人等 収益事業のみ課税 NPO法人と同様
共益活動法人
非営利型法人以外の法人 普通法人 すべての事業に課税 株式会社と同様